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ヴァイナルDJの心得1

最近、一部の若い子達の間でヴァイナルDJがブームらしい。

これは良い傾向だと思っていて、新しい世代がレコード文化を継承していってくれないと、いずれレコードショップは潰れてしまう。

せっかく興味持って挑戦してくれてるので、挫折しないようにヴァイナルDJをやる上での注意点などを書き留めておきたい。

 

まず、結構見てて気になったのは、針圧設定を疎かにしてる子達が多いということ。

針圧設定は一番大事な要素で、針圧が高すぎるとレコード盤を必要以上に削ることになり、盤の寿命も短くなるし音も歪んでしまう。

逆に軽すぎると、針飛びしやすくなり、ちょっとしたクラックでも音飛びしてしまう。

針圧はとにかく適正にすべきである。

 

次に、レコード盤のホコリ、カビ対策。

レコード盤は塩化ビニールなので静電気が発生しやすく、どうしてもホコリが付着してしまう。

毎回クリーナーで綺麗にするのは手間もかかるし、それだと取りきれないので、僕は帯電防止剤入りのレコードクリーナーの使用をおすすめする。

ホコリはヴァイナルDJには大敵で、針がホコリまみれになると音も悪くなるし、針も磨耗してしまう。

カビも同様に大敵で、針飛びの原因になったり、最悪カビだらけになると聴けなくなってしまう。

帯電防止剤入りのレコードクリーナーを使えば、ホコリも付きにくくなり、手垢などの汚れも除去できるので、カビ防止効果もある。

 

そして、よく相談されるのは自宅用のアナログターンテーブルは何を買えば良いのかということ。

結論から言うと、パイオニアのPLX-500で良いと思う。

ベストはやはり最新のテクニクスSL-1200 MK7だ。

中古のテクニクスSL1200MK3Dなどメルカリなどでも安く買えるが、中古のテクニクスをおすすめしない理由はピッチが狂ってる場合もあるからだ。

テクニクスのタンテは壊れないことで有名だが、ただどうしても経年劣化は避けられない。

端子が劣化して音が劣悪だったりはまだ良いとしても、ピッチが狂ってると一向にピッチを合わせられなくて上達できないと思う。

ピッチが狂ってるというのはどういうことかと言うと、アナログターンテーブルはクォーツで回転数を制御しているのだがクォーツが劣化すると、回転にムラが生じてしまうことになる。

ということは勝手にBPMが上下に動いてしまうということ。

そうなると特にロングミックスしたいDJには致命的な欠陥となる。

きちんとメンテナンスされてるであろう楽器屋さんから中古のターンテーブルを買うのであれば、まだ安心できるかもしれないが、あと1万円程度出せばPLX-500の新品が買えてしまう。

パイオニアのPLX-500は筐体がプラスチックなので、クラブなどの大音量下ではハウリングを起こしてしまい使い物にならないが、家庭用であれば問題ない。

とりあえずは1台あれば、手持ちのDJコントローラーなどとDJミキサーを介して、デジタル→ヴァイナルとMIXすることができるので、DJコントローラーしか持ってない人はタンテ1台と安いDJミキサーを購入するのをおすすめする。

設置場所に余裕があるならば、ぜひタンテ2台購入して欲しい。

そして、最新のテクニクスSL-1200MK7は素晴らしく良いので、一生ものとしてボーナス叩いて購入するのもありだろう。

 

最後に、ヴァイナルの買い方について。

買い方というか集め方というか、僕も若い頃は良い音源はジャンル関係なく買っていたが、その買い方だと数年後に絶対に場所問題に悩まされることになる。

ヴァイナルはとにかく場所をとってしまう、東京の住宅事情だと1000枚くらいが限界かもしれない。

そこで、買う時に自分のDJで使えるか?というのを考えながら買うと良いだろう。

僕の最近のスタイルだとハウスはプレイしないので、いくら良い音源でも買わないようにしている。

ただ、DJ用途ではなくリスニング用途であれば好きな音を何でも買えば良い。ただしLP盤に限る。

LP盤は通常片面で20分程度収録されてるので、ゆったり部屋で音楽を聴くのにも最適で、近年アーティストの作品をアルバム単位で聴く人も少なくなってるので、ぜひ好きなアーティストのLP盤を購入してみて欲しい。

 

次回はヴァイナルDJのプレイにおける心得を書こうと思う。